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こだわりのお菓子を作り出す永井シェフの大きな手
こだわりのお菓子を作り出す
永井シェフの大きな手

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パティシエを目指す人たちへ

「僕にとってはパティシエもキュイジニエも、あまり隔たりを持って考えない。菓子屋になるんだからこうとか、コックなんだからこうとかではなくて、食べ物を作る仕事に就こうという人は、みんなある程度同じだと思っている。それは日本でもフランスでも中国でも、どこでも自分のところの食の文化というものがあって、みんなそういう中で関わるから。
そう考えたときに、日本の食文化って、かなり世界的にも特異な、変わっている部分にあって、自国の食文化をどうしていくかという事を、ある程度意識して考えてほしいと思う。すぐ目の前にあるやらなければいけないことというのは、実際にお菓子を作ることだったり、焼いたり煮たりすることだったりするけれども、その先にあること、これから自分たちが創っていく文化というのがどうなっていくかということを考えていくと、異国の文化というものが自分たちに与える影響だとかを考えないといけない。異国の文化ってどういうものかを考えていくと、イコール自国の文化を考えなければいけないということになっていって、その中で自分はいかにしてそういうものに関わっていこうということが一番大切で。目の前にあるお菓子一個をよりよく作ろうというのは、もちろん毎日の中でやっていかないといけないことなんだけど、その背景にあることを考えて目の前のお菓子を作るか作らないかによって、全然変わってくる。
たとえばこれをよりよく作るのはなんのためなの? っていうことなの。誰のために? 売れるために? 売上げを上げるために? それをおいしいっていって食べてくれる人のために? ・・・ じゃあおいしいって何? っていうわけ。ある人はおいしいって食べるかもしれないけど、ある人はおいしくないって食べるかもしれない。日本人のお客さん相手に最大公約数を求めてお菓子を作ったら、フランス菓子じゃなくなっちゃう。お菓子に関して言えば、フランス菓子だろうと日本の洋菓子だろうとドイツ菓子だろうとウイーン菓子だろうと別にどうでもいいというんだったらそれはそれでいいんだけども、たとえばフランス菓子を作るとか、日本の洋菓子を作るということになれば、いろいろ物事を突き詰めて考えていくと、今自分のするべきこと、しなければいけないことが、自ずと絶対見えるはずなんで。目の前のことだけじゃなくて、もっとその背景にあることも考えつつやってほしい」

「自分がどこで仕事をするかを選ぶときに、そこの店の持っている背景がどういうものなのかということも理解した上で入らないと、あんまり行く意味がないと思う。単にお菓子が作りたいという人は別にどこに行ってもいいんだけれども、フランス菓子というものを深く知りたいと思うんであれば、先の事を考えてそういう店に行った方がいいし。ただ何となく人を幸せにしたいとから、というのであれば、それは別にどこでもいいんだけど。どんな物だって人を幸せにする事はできるから」

「何か新しい事、今まで自分のやっていなかった事をしようと思ったら、ある程度自分を白紙にしておかないとだめだよね。何があってもどんと来い、何があっても俺はそれに染まれる、というような準備をしておかないと、せっかくやっても先々のためにならない。例えば僕がフランスに行った時の事を考えると、それまで22年間培ってきた日本の文化みたいな物が自然と体の中にある状態で、フランスという異国に行ってカルチャーショックを受けて。そこで自分のカルチャーは全くそのままで、フランスにいる時だけはこうやっていこうというような、行き当たりばったりというか、その場その場で都合のいいように考えてやってたら、今みたいな物事の考え方にならなかったと思う。その時に、とりあえず今はもう日本の経験というのは捨てて、フランスでみんながこうしていたり、こういう風に考えるんだったら、それをいい事だと思う、と。要するに新しい価値観をそこで作り上げる事ができれば、日本のいいところとフランスのいいところを後で組み合わせる事ができて、自分の後の人生にプラスにできる。それが、後で思い出の写真を見るような、その場の形だけにしかなってなかったら、その先の人生にとってはあんまりためにならないと思う。
そういう風にするためには、やっぱりある程度自分を白紙にしておかないと」

「よく『オーボンヴュータン出ですよね』っていわれるのね、僕は、どうしても。一番最初がそうだし。その時に思うのは、僕は河田さんと仕事をした、その事に意味があるんであって、オーボンヴュータンで働いていた事に意味がある訳じゃない。河田さんと一緒に仕事をするときに、僕はコックであったときのこととか、ある意味20年間生きてきた(そういう)ことを白紙にして河田さんとつきあえたから、今でもずーっとそれが財産として残ってて。河田さんところに行ったときに、『お菓子の勉強ちょっとしてまたコックに戻るんだから』って感覚で行っいてれば、技術的には得る事はあったかもしれないけども、生き方的にはそんなに得るものはなかったと思う。それはすべての事に言えると思うし、今この年になっても、新しく出会う事に対してはそういうスタンスで事に当たらないといけないんだろうなというのは思っている」

「若い人に何を求めるということもあんまりないんだけど、ただ、自分が持った夢に固執しない事だよね。やっぱり全く違う事、自分にとって都合の悪い事はいくらでも起きるし、自分にとって都合の悪い事が現実である場合も世の中にはたくさんあるし。
例えばそれまで僕が持ってたフランスのいいイメージと、向こうに行ってからのフランスの現実というのは全く相容れない部分もあって、じゃあどっちを選ぶかといったら、自分の持ってたイメージを優先することはできないじゃない。目の前にある現実をやはり優先せざるを得ない。そこで自分の夢とか思いこみに固執してしまうと先に進めない。先に進まなきゃ次が見えてこないからね。やっぱりそのへんは一番大切なのかなと思う。
あとはもちろん、ある意味の我慢強さというのは必要。あまり早く答えを出さないことだよね。なんかすぐに答えを出したがる人が多いような気がするけども、学校の試験みたいにすぐに答えのわかるようなことばっかりじゃないと思う」

「フランスに行ってフランスの事を理解しようと思っても、1年2年じゃ絶対無理だと思うし、6年行っててもやっぱりまだまだわからない事があって、まだまだフランスに対して勉強しようと思うし、そんな簡単には・・・。だから『フランスっていい国なの悪い国なの?』って言われても、いまだに答えなんか出ないよね。いいところもあるし悪いところもあると思うし、早く答えを出す必要もないし」

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