前回は佃煮ワッフルを食べて思い出したお菓子があるように書いたけれど、本当は逆。
その数日前に、南仏で食べたあるお菓子の写真を整理しながら、ああ、これはなんとも掴みどころのない不思議な味だったなぁ…もう一度食べてみたいなぁ…なんて回想していたものだから、佃煮ワッフルを見つけたとたんピピッ、重なってしまった。
その南仏のあるお菓子の名前はプティ・パテ(petit pâté)。モンペリエの西側にあるペズナス(Pézenas)という町のスペシャリテである。
どうしてこの町を訪ねたかとうと、10年ほど前、ケーブルテレビの「フランソワ・シモンの美食探検」という番組で、料理評論家フランソワ・シモン氏がペズナスを歩き、名物プティ・パテの歴史や職人的製造の様子を見た後、哲学的に食していたのがものすごく印象的で、私も同じ気分に浸りたくなったから!
このプティ・パテは18世紀後半、イギリス人官僚の連れてきたインド人の料理人が伝えたレシピで、掌にのる糸巻きのような大きさと形に、棒を使って成形した生地に、お砂糖、レモン、スパイスで甘く味付けをした仔羊肉を詰めて焼いた、ミートパイのようなもの(イギリスのミンスミートにつながるような…?)。甘くしたお肉は普段食べないだろうフランス人が、この異国情緒溢れるレシピを受け入れ、今に引き継がれているのが不思議だし、アペリティフでもデザートでもいい位置付けもユニーク。売っているのは町のブーランジェリやパティスリーだ。
石造りの建物にパステルグリーンの鎧戸が引き立つペズナスの旧市街にある、老舗パティスリーMaison Alaryの壁には、プティ・パテの歴史が記されていた。シモン氏が食べていたのもこのあたりだったような…(ビデオ録画しておけば良かった!)。 |