レコールバンタン

モロッコの調味料‘塩漬けレモン’と鶏肉&グリンピースのタジン鍋 

2009/02/04
 お砂糖、お醤油、お味噌に…、はじめて調味料を作った人ってすごいなぁ、勇気あるなぁ。自分で実際調味料を手作りしてみる度に、出来あがったものを眺めては、味見しては思ってしまう。

 きのうは仕込んだ塩漬けレモンを使って、昨年7月に習った料理をはじめて再現してみた。dajaja be jelbana(ダジャージャ・ビ・ジルバナ)〜鶏肉とグリンピースの(タジン鍋)煮こみ。

 モロッコ人主婦が教えてくれたこの家庭料理は、鶏肉にジンジャーやにんにく、パプリカ、クミン、サフラン、パセリなどのスパイスをすり込み、オリーブオイルで炒めてから野菜とレモンの塩漬けを入れ煮込むだけの、お鍋ひとつでできる、モロッコではとってもポピュラーなお料理。本場ではパンと一緒に食べるものだけど、何気にごはんにかけても美味しく日本人の味覚にもぴったり。今や世界各国のスパイスはスーパーでほとんど手に入るし、野菜は冷蔵庫に普通にあるものばかり。じんわりとした味の馴染み具合を左右するタジン鍋だって、日本には土鍋というすぐれものがあるし、私の愛用〜フランスSTAUB鍋なら得意中の得意調理だ。でもこの料理を習ってからすぐに再現できなかった理由は、ひとつだけ調味料を自家製しなければならなかったから。
 それが、上の写真のビンの中、レモンの塩漬けである。こればっかりは日本で普通に売られていることはない。

 待つ覚悟さえあれば、手作りするのは簡単だ。良く洗って水気を拭いた国産レモンの両端に深く切れ目を入れ、そこにお塩をかなりたっぷり入れる。煮沸消毒したガラス密閉容器にぴっちりになるまで個数を入れオリーヴオイルを小量たらし、冷暗所に置いておく。最初の数週間は二日に一度位、瓶を逆さにする。すると浸透圧の作用でレモンから水分が出てきてレモンがかぶるくらいになる。そのまま約半年置いておくと、水分がとろっと半ゼリー状になって、塩漬けレモンのできあがり。つまり料理の復習をするにはこのレモンが完成する、少なくとも半年が必要だったわけ。

 簡単といいつつ実はレモンの塩漬け製作第1弾は失敗〜っ。途中でレモンの表皮に白いものが・・カビ? 先生に相談すると、塩の量を増やして最初からやり直しをすることと言われた。そこで2回目は思いっきり塩を投入、ついでに果汁をコンフィチュールに使った後のレモンの皮も隙間を埋めるために押し込む。あますところなく使えれば万歳だ、ひょっとしたら保存食や調味料ってこうして生まれてきたのかも、塩の保存力ってすごい…などとブツブツ独り言しながらひたすら変化を待った。

 そもそも、このレモンの塩漬けに舞いあがった理由は旅先でのこんな思い出があったから・・・。

 数年前訪ねた南フランス、エスク・アン・プロヴァンス。ここに留学していた友人から教えてもらった、プロヴァンス産のアーモンドを量り売りしてくれる食材屋さんに入ったときのこと。目的のアーモンドのあることを確認し、とりあえず薄暗い店内をぐるり一周すると、奥の冷蔵ケースの前に置かれた大きなポリバケツの中身に目がとまった。バケツは透明の液体で満たされ、黄色いレモンらしきものがプカプカ浮いていた。

 一体これは何? 

 お店の人に聞くと、レモンの塩漬けで、鶏肉と一緒に煮込むのだという。品揃えといいお店の人の顔立ちといいアラブ系っぽかったので、きっとそちらのお料理なのだろうと察した。考えてみたら南仏にはモロッコ、チュニジア、アルジェリアといったマグレブの移民が多く、その後南仏のマルシェ(朝市)でマグレブ系のオリーヴ屋さんを注意深く観察すると、このレモンのプカプカバケツがあること、あること。そして同じ質問を投げかけると答えはやっぱり同じだった〜鶏肉と一緒に煮込むのさ! 
 う〜ん、そういわれてもどんな料理なんだか? モロッコ料理といえばクスクスくらいしか知らなかった当時、まるで‘インド料理=カレー’の認識レベルでは、想像すらつかない。第一プカプカレモンの味が謎だし…。

 そんなわけで、塩漬けレモンの謎解きとなった鶏肉&グリンピースのタジン鍋の作り方、試食に大興奮したのだった。

 6ヶ月以上たって液体がゼリー状になったレモンの塩漬けは、日本でいうなら梅干か!? 出来た煮こみを食べながら、いわしやアジの梅煮なんてあったなと、似たような料理を思い浮かべてみた。クエン酸という共通点もあるし…。唐辛子をすり込めば柚子胡椒風!? 鍋料理の隠し味になるし。ちなみに南仏のプカプカの塩漬けレモンは、どう見ても6ヶ月にも満たない浅漬け状態だった。たぶん各家庭によって漬けこむ期間が違うのだろう。お味噌でもチーズでも熟成度の好みや用途はそれぞれだろうから。いずれにしても、塩漬けレモンの使い道はどんどん浮かんでくるようになった。モロッコって料理を通して見ると、案外近い国なのかも。
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Commented by fruitsnoirs at 2009年02月09日 22:56
bieiさん、こんにちは。
レモンの塩漬けは、そのままでも食べられますが、そのまま食べたりはしないと思います。そこが梅干とは違いますものね。今度先生に聞いてみます。でもこれも刻んでご飯炊いたりしたらおいしそうです!
Commented by biei at 2009年02月09日 11:37
またまたおいしそうな・・・

その漬けたレモンはそのまま食べたりもするのでしょうか・・・?
ごはんがある日本は、梅干しは食べますが・・・
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