レコールバンタン

モロッコのラマダン菓子シュバキア! 

2008/09/20
 お菓子好きな好奇心も、突き詰めていくとアラブ系へ向かってしまうものなのか!? お砂糖、パン、パイ、アーモンド、スパイス、…そもそもこれらはアラブからヨーロッパに伝わったもので、ヨーロッパのお菓子はアラブ文化の影響なしに発展はしなかったんだなぁ…。フランスに一番近いアラブ〜モロッコのお菓子を作って食べてみると、このタイムトリップ感を肌で感じわくわく♪ 

 これは最近モロッコ人に家庭料理を習って体感したこと。料理教室といっても、単にレシピだけでなく、モロッコ一般家庭の習慣や、雑学、知恵など伺えるのが面白い。家の中はいつもピカピカに磨き、お昼に食べるパンを朝仕込み、昼休みは職場から必ず家に帰り、たっぷり食事をし、シャワーを浴びて着替え午後の仕事へ向かうのだそう。(なんてきれい好きな国民!)

 今回のレッスンでは、イスラムのラマダン(断食)期間に食べられるお菓子‘シュバキヤ〜shebakiya’を作った。名前の意味はくにゃくにゃ。このお菓子の成形がくにゃくにゃだから。(関西弁の‘しばく’で覚えようとみな笑)

 小麦粉、アーモンド粉、白ゴマ粉、卵、砂糖、オイル、バター、イースト、サフラン、ヴィネガーを水で捏ねたものをのばして専用の型で抜く。長方形の内側に四本の切り込みを入れ、それを指でつまんであや取りのように引っ張り広げると‘くにゃくにゃ’な形ができる。これがなかなか簡単なようで最初はうまくいかない。先生がやるとバラの花のようなのに、私がやるとくにゃくにゃにしおれた花だぁ(笑)!

 私がモロッコのお菓子に興味を持ったのは、数年前に南仏プロヴァンスのモロッコ菓子屋を訪ねてから。クリームやムースの派手さはないものの、ひとつひとつの形や装飾がアラベスクのごとく繊細で美しく、甘さの中に複雑な香りと味を感じたから。一体あの形はどうやって作るのだろう…。偶像崇拝禁止から生まれた装飾は、タイルや刺繍だけでなく、お菓子にも表現されていた。 
南仏エクス・アン・プロヴァンスの町で食べたモロッコ菓子
 生地をのばして形を作る。時には専用の道具を使って、平面を立体的にするところなどはパスタに通じる手法。そうそう、この教室では初めて見るちょっとした専用道具が多い! そりゃあタジン鍋だって驚きだものね。その代り、材料は日本で(しかもスーパーのレベルで)手に入るものがほとんど。つまり、道具を何とか工夫すればできてしまうのだ。シュバキヤも、ナイフで切りこみを入れればそれでよし。
 さて、シュバキア作りの続きに戻ろう。

 バラのように成形した生地を、油でこんがり揚げたら、すぐにあたためたはちみつに絡め、ゴマをふって出来あがり。冷蔵庫で1ヶ月は保存でき、はちみつがたっぷり染みたところが美味しいそう。はちみつをできるだけからめ、出来たてを頬張ると、あらら、懐かしい大学いもの雰囲気! エキゾチックな見た目によらず、日本人の味覚にぴったりなコクのある甘さがあとをひく。ちょっと危険。しかも甘いミントティーがぴったりで…。これを日が沈んでから‘ラマダン朝食’に食べるなんて!? そこだけは、感覚が違いすぎだ〜。(イスラム教ではラマダン期間になると、日の出から日の入りまで食べ物飲み物を一切口にしてはいけないため、日没後にその日の朝食が始まる)

 冷凍してそのまま出しても糖分油分で硬くならず、ひんやりおいしいとの提案もいただいた。(→持ちかえり分をやってみたらこれがまたいける! ブリオッシュと通じるなぁ。ババも冷凍してみようかなぁ。)
真ん中の茶色いのがシュバキア。その奥がモロッコ製タジン鍋。日本の土鍋でも代用できる。
 偶然今日出かけた旅行博のモロッコ観光局ブースでシュバキアを見つけた。ラマダンに限らず、いつでも食べられるポピュラーなお菓子、という先生のお話がそのままあらわれた光景だった。次回のお菓子も楽しみだ。
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