デフェール・安食シェフの卒業
2008/07/19
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私のお気に入りの一店、デフェールの安食シェフが7月20日付けで退社される。 思えば2001年、あるイベントで徳多朗のパン買い出しを任されたときのこと。あぁ、うちからは少々遠い担当になっちゃったな、とぼやきながら歩いていたら、新装開店のお花で飾られたケーキ屋が目の前に現れた。パンも買ったことだし…気になって入ってみたら、おいしそうなタルトがいっぱい並んでいた。オープン記念で割引になっていたので、どうせならとフルーツタルトを一台奮発して購入してしまった。それが安食シェフ率いるデフェールとの出会いだった。 それから数ヶ月後、イートインでケーキをいただいたときのこと。一番のおすすめ、ゼラチンを使わない滑らかで軽やかなフロマージュ・クリュ(レアチーズケーキ)を作るには、どんなチーズ選び、乳化方法がいいのか、「洋菓子コツの科学」を何度も何度も読み返し、試作し、レシピを考えたとおっしゃていたことが印象的だった。勉強家で努力家、新作を次々出すというよりは、ひとつのものをより美味しく進化させることに情熱を注ぐタイプかな〜?なんて勝手に感じとっていた。 キャラクターのデフェール・ベア、苺をハート型にカットして飾ったショートケーキ、プリン、シプーストなど親しみやすいものがあるかと思えば、チョコのコポーを上にのせたジヴァラ、マロンロワイヤル、お酒をキリッときかせたリカールやマンダリンナポレオンなど、大人好みのケーキまで、幅広い層を喜ばせてくれる安食シェフのお菓子。そのあたりが田園都市線沿線にぴったりだった。 あるとき気付いたのは、ショーケースに並んでいるケーキの半分位が茶色く、チョコレートを使ったものが多いこと。これはショコラ好きとしてはたまらない。そういえば、今年初挑戦されたボンボンショコラは最高だったなぁ。 ショコラ系お酒&チーズ好き、そんな安食シェフの遊び心とチャレンジ精神は、今年6月に開催された渋谷のデパ地下イベント、デセール・ドゥ・プライムでも発揮されていたっけ。 |
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このイベントに登場したシェフたち6人の中では、異色のメニューだったフォアグラショコラとモヒート。3000円という価格にドキドキしながら、もう二度と食べられないかもしれない…との思いで並んだ。 カウンター越し目の前で様々なパーツを作り、お皿に組みたてていく間中、一体どんなお料理に? おそらく並んだみんな同じ思いだったろう。 りんごのワイン風味ソテーとそのソースに甘酸っぱいベリー系ヴィンゴット等を混ぜ煮詰めソースとし、薄くスライスしたビスキュイ・ショコラ、リカール風味のショコラクリーム、ソテーした60gのフレッシュ・フォアグラ、ブリオッシュ添え、最後にベトナム産シナモンを香り付けにパラパラ…。 もうこれは、ワインなしではやっていられない! とオプションのワイン(アルザスのアロマティックな白ワイン、ゲヴルツトラミネール)を頼んだ。 そしてワインと一緒にいただいてみると…不思議なことに立派にデザートになっている! 60gのフォアグラの存在感はしっかりあるのにお料理というより、ショコラやりんごのデザートにフォアグラのコク・脂分が効果的に使われているといった感じなのだ。面白い! デザートと料理の境目を行くのは、ある意味ピエール・エルメに通じたりして…。 レンジで温め直すと中のショコラがとろり流れ出すサオトボ、フレキシパンを逆さに使って窪みのあるムースを作り、その窪みにソースをセットし、フォークをいれた瞬間ソースがお皿に流れ出す仕掛けのミラネーゼ。どれも今までにない買って帰れるケーキだった。ああ、食べ納めするにも明日がラストチャンス! そんな仕掛け人、安食シェフのデフェール卒業後をちらりと伺うと、しばらく充電期間をとるとのこと。そのあとお店は?…都心で小さくやるより、遠くても好きなことができるお店がやりたいと今の理想を語ってくださった。またいつか、パワーアップしたシェフのお菓子で再会できることを祈って。7年間、お疲れさまでした。 …あっ、7月20日って海の日だ。サーファーの安食さんらしいな。 |
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