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■やはりガトー・ショコラ
圧巻なのは、やはりガトー・ショコラです。最近の流行ですから、やはりという他はありません。チョコレート入りというよりは、チョコレートそのももの味を全面に出した重いケーキです。以前は、このようなケーキが流行することは考えられなかったのですが、ようやくその兆しが見えてきたというのが実感です。つい20年前は、今とは全く逆に軽薄短小といわれるヌーヴェル・パティスリーの時代でした。見た目は華やかで小さく華奢、味わいもあくまでも軽く、ふんわりとした癖のないケーキが主流でした。そのためお菓子業界として、流れに逆らうように毎年チョコレートの普及に精を出していましたが、そのかいもなく一般消費にまで手が届きませんでした。そしていつしか日本ではチョコレート文化は育たないという風評が飛び流れ、バレンタインのイベント菓子程度に落ち着くほかはありませんでした。業界としてもかなりあきらめ気分になったものです。ところがその後、重いケーキが見直され、オーソドックスな焼き菓子が注目されてきました。よくショーケースの上に置かれた焼きっぱなしのタルトです。これが首都圏で人気が出ると、しだいに素朴で目立たないチョコレートケーキやマドレーヌ、フィナンシェの小さな焼き菓子に焦点が移り、その頃からショコラティエの名前もちらほら聞くようになりました。今ではこのランキングに見るようなチョコレート人気です。この結果は非常に考え深いものがあります。単純に欧米食文化が広がれば、チョコレートの到来も必然、と疑わなかった当時のキャンペーンもようやく花開く時期にきたといえるのでしょう。
■ベーシックが人気
さて、ガトー・ショコラの他にもかなり重たいケーキが上位を占めています。特集号でベーシックレシピを紹介した事情も考慮しなければなりませんが、やはり性格がはっきりしたケーキにアクセスが集中しています。ベーシックは、根強い人気とでも言ったほうが話は簡単ですが、作るという観点に立脚してみますと、簡単においしいものを作ろうとすると、どうしても基本から逃れられることはできません。単純に基本中の基本であるレシピに人気が集まったと解釈できるかもしれません。また、ベーシックに人気が集まるのは、一般的に若い人たちに見られる現象です。まず手短かに簡単なものからという発想原点がありますが、一定のレベルに達するとベーシックへの回帰現象を起こします。ですから一概に若いというわけにはいきませんが、ケーキピアはクッキング経験豊富なユーザーが多いので、ベーシックに対する理解度は高いということになります。つまり若年層と経験豊なユーザーが多いという2つの事実が裏付けられることになります。いずれにしても素朴でベーシックなケーキに人気があることはケーキピアにとって非常にうれしいことです。
■ブール・ド・ネージュが常にランク入り
ところで今年のアクセスランキングで特に目立っていたレシピがいくつかあります。そのひとつはブール・ド・ネージュです。クッキー生地を手で丸めて焼くだけですが、このクッキーが今年常に上位にいたことは驚くべきことだと思っています。バレンタインやホワイトデーのイベントによる影響が大きいと予想していましたが、そういったイベントに関係なく上位にランクしていました。考えられるのは、やはりボウル1個で出来る、簡単レシピということでしょう。それに加え、これまでキッズへの体験学習用としてベーシックレシピを取り上げて来た経緯もあり、クッキングという枠組みを超えて、遊びに近い発想で粘土細工のように出来る食べ物と考えられてきたのかなと思うところです。
■クリスマスケーキは安定
さて最後になりますが、年間のビックイベントの影響でクリスマスケーキが上位に食い込んでいます。流行のロールケーキ、オーソドックスないちごのクリスマスケーキです。これまでのランキングで他を圧倒する数でしたが、その力は衰えを見せず安定しています。クリスマスはどうしてもファミリー志向が多くなるので、誰にでも人気のある軽くふんわりしたクリスマスケーキになるのは必然です。また、軽くふんわりした傾向はロールケーキも同様で、家族の反応の良さからも人気のケーキだといえるでしょう。
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