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HOME(トップページ) > Life@Chef(安食 雄二シェフ) > デフェール
Life@Chef
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デフェールのショップカード。
“E”の上にあるのがアクサン。
店頭
デフェール入り口。
写真ではわかりづらいですが、階段の右手がスロープになっています。
ショーケース
安食シェフのお菓子が並ぶショーケース。

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回線のはやい方 回線のおそい方
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デフェール

「このお店のために、2001年4月に藤井商事に入社して、7月のオープンを目指して準備にかかりました。それまで通常の業務もあるんで、それをしながら、お店のレイアウトを考えたり、店名や、包装紙とかのデザインも考えたり。
最初に決まったのが店名なんですね。いろいろ辞書で調べたりもしたんですが、やっぱりフランスの地名や、きれいな単語というのは、ある程度もう使われているし、ありきたりの名前になってしまうんで、『意味なんかなくたっていいや、自分で考えて作っちゃおう』と。女性雑誌を見て、エルメスだとかディオールとか、ブランド名がたくさん並んでいるのを見ながら、『こういう雰囲気を出せないかな』とか、『なんとなくdから始まりたいな』。そんな感じで考えているうちに、デセール(dessert ※)って単語がありますよね、フランス語に。dessertのssをffに替えると、真ん中のeffeの並びがすごいキレイじゃないですか。deで始まるところもフランス語っぽいし。飾りに、意味がないけどアクサン(左の写真参照)1個付けちゃったりして(笑)、デフェール。ああいいじゃない。で、フランス人に『デフェールって名前でやろうと思うんだけど、どうかな?』って聞いたら『いいんじゃない』って。『なんか変じゃない?』って聞いても、『変じゃないよ、お菓子屋さんっぽいよ』っていってくれたんで、『じゃあこれにしよう』と」

「この店を造ってくれたのはうちの父親なんです。父親は建築家で、埼玉で工務店やっていて、兄貴が一級建築士、弟が木工の大工。藤井社長が『君のお父さん建築やってるんだよね』って指名してくれて。お店の全体的なデザインなどは、兄貴に希望を言って設計してもらって、その辺の木工の家具なんかは弟にやってもらって。床に使う石だったり、そういうものも全て展示場行って選んだりしました」
「元々のお店は入り口が手前で、ちょっと高くなっていたんですね。このへんはベビーカーが多かったんですが、階段じゃベビーカーの人は入ってこられないし、逆に言うと来なくていいという感じにもなりますよね。それは絶対にまずいなと。それでなるべく段差の低い奥を入り口にして、かなり無理を言って、スロープもつけて。一応車椅子も入ってこられるギリギリの規格なんです。オープンしてからもずいぶんベビーカーのお客さんも入ってきてくれます。すごい、うれしいですよね」
「親父なんかとは相当喧嘩してやりましたが、できあがった時は本当に満足いくものができましたね。親父に口答えしたのなんかそれが生まれて初めての経験でした。親父はすごい厳しい人だったんで、口答えするなんて考えられなかったんです。でも僕も社会人になって、親父とそんな風に仕事ができたというのはすごく楽しかったですね。親父もきっと楽しかったと思います。基本的には最新のデザインだとか、今はやりの、ということは一切考えずに、10年経っても20年経っても飽きの来ないような、クラシックなデザインにしたかったんです。何とか理想通りのお店になりましたね」

「もともとパティスリーフジイというお店で営業していたんで、そこの厨房のスタッフをそのまま引き継いだんです。最初にスタッフに『今回こういう話なんだけど、やるか?』という風に聞いてもらったら、みんな『やりたい』と言ってくれて。僕はかなりスタッフに対する要求度は高かったし、仕事に対する厳しさというのもある程度持っていたんですね。オープンの最初の1年というのは、シェフもすごく気持ちが揺れるし、それ以上にスタッフも気持ちが揺れる時期で、肉体的にも精神的にも最初の1年というのはすごくキツいんです。僕もロイヤルパークホテル、モンサンクレール、デフェールと、オープンを3件連続経験していて、ある程度厨房の向かう方向性とか、そういうものを自分の中にしっかり持っていたんで、それを信じて、がむしゃらにやって。それでも丸1年迎える前に、元いたスタッフはもう全員やめてしまっていました。一方で僕の作るお菓子や考え方に共感して集まってくれる子達も何人かいたので、今、丸2年半ぐらい経ったところで、厨房の雰囲気というのは自分のイメージしていたものができあがってきています。同じ価値観の持ち主みたいなものが集まって、気持ちよく仕事ができるようになりましたね」

「この仕事をする上で一番大切なことは二つあって、ひとつはおいしいものを一生懸命作るということですよね。もう一つはお客さんに気持ちよく買い物がしてもらえること。この二つがあれば他はいらないという訳じゃないけど、この二つをきちんとしていればそれで良いと思っています。お菓子に対しては絶対妥協したくないと思っているので、厨房は僕がいれば、ある程度のものは作りあげられるので、あとは販売ですね。どんなに厨房でいいものを作ったとしても、販売がいい接客ができなければ、お店って成り立たないんです。そういった意味では、厨房もがんばってくれてますけど、販売のスタッフに僕はすごく恵まれていますね。やっぱり男と違って、女性ってすごい几帳面で、色々な物の管理だったり、計画だったり、僕が余り目が行き届かないところや、僕にない部分を販売のスタッフ達がカバーしてくれています。本当に厨房も販売もすごいいいスタッフに恵まれたと思います」

「今、お店で出しているお菓子というのは、変わったことをやったりとか、変わった素材を使ったり、変わった組み合わせをしたりということはしていません。まだシェフとしては僕は経験がないんですが、若いからこそ大胆な発想ができるだとか、大胆な素材の組み合わせができるというのは違うと思うんですよね。若くて経験がないからこそシンプルで基礎的なことをしっかりやって、味も極力シンプルでストレートなおいしさというものをまず確立して、30、40になった時に、どんどん味の表現の幅というのが広がっていけばいいなと思っている。だから今はデフェールで自分の中のベーシックを確立して、次にまた自分の味覚の表現の幅を広げていければいいなと思っています」

※デセール(dessert):食事の最後に出される料理。英語のデザート。

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