レコールバンタン

シェフと一緒にブリオッシュをひもとく! 

2008/09/07
 …‘アンジェリーナ’‘ブノワトン’といった名店で修行…

 イベントのチラシにのせるプロフィールを確認してもらうと、

「いやぁ…私の場合、修行店の名前を出していいものかどうか…。」

 と、照れ笑いをした薫々堂の亀山修二シェフ。

 確かにね、作っているパンのタイプがまるで違うから・・。薫々堂のパンは、特殊なブランドの粉やバターを使うでもなく、天然酵母をうったっているのでもない。ごく一般的かつ本物素材で、丁寧な職人仕事をして、くんくん薫りの良いパンを焼き上げる。店主の裕子さんのつけた店名の由来でもある。その志し通り、いつ訪ねてもお店は清潔でパンのよい香りが漂い、チャーミングでユニークなパンが並んでいる。

 お店に通い始めてからあるとき、私はラインナップにブリオッシュやその仲間が(面白いほど)多いことに気付いた。一般の日本のパン屋と何か逆! クロワッサンも作っているのに、レーズンとカスタードクリームをくるくる巻き込むパン・オ・レザンがここではブリオッシュ生地だったり、カカオを練り込んだブリオッシュまであっておおはしゃぎ。何せ私は大のブリオッシュ好き。フランスならクロワッサンの隣に当然席のあるブリオッシュなのに、日本での人気とパン屋での扱い率は悲しくなるほど低い…。理由はおそらく高い割に具がなくて見た目に地味で売りにくいからだろう。

 これは…、ブリオッシュが好きじゃなかったら出来ない仕事。気になって伺うとシェフはシュトーレンなど、発酵菓子にとりつかれているという。ならば一緒に魅力を紹介しましょうと今回のイベントが実現した。(今考えると、少数派テーマでやりはじめるのも大胆だなぁ)
 デモで考えてくださったのが、伝統的で基本のブリオッシュ・ア・テットと亀山シェフオリジナルの黒糖マロンの成形。

 お店では冷凍生地を一切使わないポリシーがあるため、短い時間の中でどんなことが見せられるのか、随分悩ませてしまった。(本当に素人ったら浅はか〜)

 ア・テットの象徴〜お坊さん頭が焼き上げた後も傾げないよう、独特のやり方を考えたというシェフ。赤ちゃんのおしゃぶりみたいな形が二次発酵を経て焼くと姿勢の良いお坊さんになるというのだから不思議。その横で店主が型ひとつひとつに丁寧にバターを塗っていく。それはくっつかないようにするためと同時に、外皮にもバターの香りがつくことが大事だから。最近ではシリコン型やスプレー式オイルなど、便利で合理的な道具もあるのに。本当に「料理王国」9月号掲載記事通り‘妥協という言葉がない’お二人だった! (こういう細かいところに感心してしまう私〜♪)

 一部の参加者に成形体験をしてもらうと、生地のやわらかい雰囲気が会場全体に伝わっていった。
焼く直前のブリオッシュ・ア・テット
オリジナルの黒糖マロンは、ブリオッシュ生地にも秘密が…アーモンド粉とはちみつを混ぜ込んだ生地で具を包むことで香ばしさが増し、具との一体感が生まれる。
 その後はブリオッシュの種類や地方性などについて、軽く説明しながらワインと一緒に試食タイム。えっ、ブリオッシュにワイン??? と思われるかもしれないが、レストランでフォアグラ頼めばついてくるのがブリオッシュとアロマティックな白ワイン。それにアルザスのクグロフを紹介する写真には、だいたい白ワインが添えられている。イベント前に薫々堂のクグロフを食べたとき、レーズン、オレンジの香りが広がると同時に、バターと塩味がジュワッと広がり、思わずワインが飲みたくなった。クグロフが瞬間お肉に感じたのだ!(クグロフに関しては別にブログに書きたい気分♪)

 トロペジェンヌ、ムーナ(クロンヌ)、オスターピンツェンなど、(私のわがままで)普段お店に出さないブリオッシュのバラエティを、この日のために準備くださった幸せに浸りながら、お二人にブリオッシュ作りの面白さなどを語っていただき、みなさんからの質問・感想などあたたかい言葉を受けとり、会は無事終了。好みの人気投票ではどの種類にもたくさんの手があがった。かなりの量の試食にもかかわらず、すべて平らげた方がいたり、食べきれなかった分のお持ち帰りにみなさまにっこりで…。ああ、ありがたや〜。
南仏で食べた味を思い出すタルト・トロペジェンヌ。ムーナと同じ生地にムスリーヌクリームをたっぷり挟んで…生地に練り込んだオレンジ花水の香りが最後にフッと鼻を抜ける。クリームを挟んだだけで、生地だけの味とはニュアンスが全く変わるのが面白い。
 上の写真は薫々堂さんの用意くださった伝統的ブリオッシュと地方によるバラエティ。具はなくても(少なくても)、バターと卵(とスパイスやフルーツ)の香りを楽しむ醍醐味はたっぷり。

 こうしてじっくりブリオッシュを見ていたら、はっと気付いたことが…。十字の切り込み、お坊さんの頭、豊穣を願う麦穂の編み込み、エピファニーの王冠、生命の誕生を祝う卵とアーモンド…もとはカトリックのお祭りのための贅沢なパンだったことが象徴されている! ありがたいじゃありませんか★ バター不足&価格高騰の今、こんなにいっぱいいただけたことも★
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Commented by fruitsnoirs at 2008年09月12日 10:33
某店主さま、毎度ありがとうございます。
2週間たった今も、きのうのことのようですね。

私はこれからワイン会の準備で出発します。
また、いい空気感が演出されればいいなぁと。

ではみなさまよい連休を!
Commented by 某店主 at 2008年09月10日 22:16
2度も同じコメント、失礼しました。
そしてcrepusculeさん、ありがとうございます。
本当に、参加された皆さんで作った会になりましたね・・

13歳のお嬢さんが、大人に混じって、
目をきらきらさせながらお話に聞き入っていらっしゃる様子がかわいらしく、
かと思えば、自分の言葉でしっかり感想をおっしゃって下さったのには、シェフも
「女の子って賢いんだなあ・・!自分はもっとアホだったように思うけど・・」と感心していました。女の子であったはずの店主は、今でももっとアホだなあ・・・
それはさておき、どうぞ、よろしくお伝えください。
ありがとうございました・・・!
Commented by fruitsnoirs at 2008年09月10日 01:49
crepusculeさん、いつもありがとうございます。
ひょっとして、ブリオッシュが好きが集まっているこのブログ!?

焼き立ての熱々をみなさんが食べるところ、本当は涎。。。隠して羨ましかった〜自分でも参加者側にまわりたかったくらいです。
あの頭がとれる瞬間、クラムの香りがほわほわっとして、黄金色が見えて幸せなんですよね。(坊さんの頭かぶりつくなんてなんとも残酷?鯛焼きみたい〜笑) クロワッサンなら端っこのサクハラッという音とハニカム状の断面が見える瞬間と一緒かしらね。

それはそうと参加者みなさんがいい雰囲気だったので、成功したのだと、みな後で話しておりました。感謝です。
Commented by crepuscule at 2008年09月09日 21:58
fruitsboirsさん、薫々堂さん、「ブリオッシュの会」楽しかったです。少人数で、ほんとうに仕合わせな時間でした。(ほんとに、あの人数では正直もったいないと思いました。これがほんとの贅沢!)
 一緒に参加させて頂いた13歳の少女にとって(私にとってももちろん)、夢のような時間と空間だったようです。

 ブリオッシュに的を絞った企画、大成功だと思います。企画力大有りですね、fruitsnoirsさん!
 私、ふだん何気なく食べていたブリオッシュでしたが、この会に参加してfruitsnoirsさんの解説と、薫々堂さんの誠実な仕事ぶりを拝見して、改めてブリオッシュの存在を見直しました。
 焼きたての熱々はなかなか手に出来ません。いつもどおりteteからがぶりっ。あの瞬間の薫りと食感に、思わず左隣の席の方と顔を見合わせて、無言の笑顔を交わしました。「う〜〜ん、このおいしさ!」とその方の目もおっしゃっていました。
 ありがとうございました。同じ時間と空間を過ごせて仕合わせでした。
Commented by fruitsnoirs at 2008年09月09日 12:20
bieiさん、こんにちは。
わわ〜っ、ブリオッシュクラブ、作っちゃいますか(笑)。
北海道なのにプロがバターを買えないなんて、辛いですね。
北海道でもブリオッシュはポピュラーな部類ではないですよね。やはりそのお店の方の思い入れでしょうか。
これから作られるなんていいなぁ。東京はまだ暑いので難しそうです。
Commented by biei at 2008年09月09日 11:27
羨ましい・・・・・。ブリオッシュクラブがあれば、会員ナンバー2番でお願いしたいくらいです。
私が行くお店は、とても小さなお店で品数もそれほどないのですが、ブリオッシュはあるのです。
ですが、北海道なのにバターが手に入らず、作れないこともあった様で・・・
記事を読んでるうちに、涎が・・・これから作ろうと思います!
Commented by fruitsnoirs at 2008年09月09日 11:11
こんにちは。
この度はご協力ありがとうございました。

あれからますます、パン屋でブリオッシュを探すようになってしまって、ますますその少なさに複雑な思いで出てきます。
なのでまた食べたくなったらお店に伺いますので〜♪

Commented by 某店主 at 2008年09月08日 23:18
Briocheを主役になんて、
fruitsnoirsさんでなければ思いつかないような企画でしたね!!
我々も今夜、ようやく腰を落ち着けて、ワインとクグロフのマリアージュを愉しみました。
fruitsnoirsさん作のワインジュレもコンフィチュールも
またまた合います〜♪
本当に素晴らしい時間を、ありがとうございました・・・!
チョコレートケーキの会も、楽しみですね!!
Commented by 某店主 at 2008年09月08日 23:18
Briocheを主役になんて、
fruitsnoirsさんでなければ思いつかないような企画でしたね!!
我々も今夜、ようやく腰を落ち着けて、ワインとクグロフのマリアージュを愉しみました。
fruitsnoirsさん作のワインジュレもコンフィチュールも
またまた合います〜♪
本当に素晴らしい時間を、ありがとうございました・・・!
チョコレートケーキの会も、楽しみですね!!
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